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Sonatine(ソナチネ) 批評


2013年6月10日


〜凶暴な男、ここに眠る〜 


どうも皆さん、「夜通しキャンプファイヤー」でのAB型担当、UNJIROです。
今回も私が大好きな北野映画「Sonatine (ソナチネ)」についてあれこれ述べていきたいと思います。今や映画監督「世界の北野」として有名なビートたけしですが、この映画が皮切りとなって世界的に評価されるようになりました。一見難解な映画ですが、いい映画というのはこういうことを言うんだなと思い知らされます。おすすめです。



公開:1993年

監督:北野武

脚本:北野武

音楽:久石譲

配給:松竹

本編:93分


出演:ビートたけし、大杉漣、寺島進、勝村政信、国舞亜矢、渡辺哲 etc.




 「Sonatine(ソナチネ)」は「菊次郎の夏」や「アウトレイジ」等の監督である北野武が監督・脚本を務め、誰もが知るお笑い芸人であるビートたけしが主演を勤める、俗に言う北野映画の4作目だ。公開当時は難解な映画としてあまり評価はされなかった。しかし海外の映画祭で上映されると高く評価され、世界的に北野武の名を馳せた。後に北野本人も、特に思い入れの深い作品として本作を挙げている。

 この映画のキャッチコピーは「凶暴な男、ここに眠る。」であり、ヤクザ稼業に疲れた1人の男の末路を描いている。その末路を彩る地は沖縄であり、その美しい風景とは裏腹に血なまぐさいヤクザのやり取りがじわじわ行われていく。ビートたけし演じるヤクザの村川はどのような末路を迎えるのだろうか。という流れ。この作品はつらつらとネタバレを含みながら述べていっても、実際に見ていただいた時の衝撃が薄れることは無い。断言できる。それほど映像と流れとストーリーと音楽とのコンビネーションが完璧で、すべてを同時に体験することでしか感じることができないモノが多いのだ。それがいい映画というものなのだろう


ーここから筆者考察ー

 圧倒的に美しい景色を持つ沖縄が、闇の社会で生きてきた男達の心を浄化していく。極限状態であるはずの男達は無邪気に自然と戯れながら、本来の人間が感じるはずの感情をさらけ出していく。しかし男達には決して逃れることのできない闇の社会で生きているという現実が無慈悲に、確実に襲ってくる。その様はあまりに唐突で、現実すぎる。まるで仲の良い仲間と旅行に行った時にふと感じる「帰ったら仕事だ・・・」というどうしようもない現実に裏打ちされた感覚のようだ。村川はケジメをつけた後、村川を待つ女性に会わずに自決する。まるで私達が旅行気分を現実モードに切り替えるように。村川にとって、「女性」や「沖縄の自然」が我々で言う「旅行」であり、現実から乖離した象徴なのだ。そして「現実」は我々にとっても現実であり、村川の場合は「闇の社会で生きる人間」という変わりようの無い現実なのだ。
・・・ホントやだよね。旅行終わって仲間と別れる時。

ー考察終わりー

 

 久石譲の音楽は本当に良い。ジブリもそうだが彼の音楽は映画の魅力を跳ね上がらせる力がある。雰囲気にピッタリなのだ。トトロの「風の通り道」を聴いたら、私の眼球は自動的にありったけの水分を吐き出す。「ソナチネ」の主題歌もじわじわと押し寄せる絶対的な「負」に抗いようも無く従うしかない、そんなイメージを与える。イメージ画像もピッタリだ。ナポレオン・フィッシュ(メガネモチウオ)という沖縄等に分布するおとなしい、愛らしい魚が赤すぎる夕日をバックに下から串刺しにされている。

 まさに本作にピッタリ。



ソナチネ (1993) - 劇場予告編 (Takeshi Kitano)



 

 そして覚えておいていただきたいのが、この映画を公開した翌年にビートたけしはバイク事故(自損)を起こしている。一命は取り留めたものの、一時生死をさまようほどの大事故だった。「Sonatine(ソナチネ)」はまさに生と死をテーマにしており、この映画を作ったたけしがなんらかを思って事故を起こしてしまったのではないかと思えてならない。それほど強烈な作品なのだ。 強烈過ぎるゆえにマイナス気分な時は見ないほうがいいかもしれない。



 ・・・言いたいこと言ってますが、続いては本作の見所を順を追って紹介していきます。






たけし演じる村川組組長、村川とその面々。どっからどう見てもヤクザさんだ。


 物語は東京から始まる。いつものように村川は上納金集めに雀荘へ行き、店長につめよる。そして事務所へ帰ると部下が電話越しに怒鳴り散らしている。そんなヤクザな日々に村川は嫌気がさしていた。ある時部下のケン(寺島進)に言う。「ケン、ヤクザやめたくなったなぁ。なんかもう疲れたよ。」金は入ってくるが、やるせなさがあった。
 元組員でカタギになったはずだった津田に対して村川が叱る。津田がカタギにならず組関係者のもとでフラフラしているのに対して注意する。村川自体もヤクザ稼業に嫌気がさしており、簡単にカタギに戻れる下っ端には戻ってほしいのだろう。

 そんな村川組に、ある陰謀が。村川組の親にあたる北島組組長が村川組のシマをほしがり、村川を沖縄においやってしまう。村川一行はちょっと憂さ晴らしをしてしぶしぶ沖縄へ。




沖縄での第一拠点。すでにボロボロだ。


 沖縄の中松組を手助けするという話で沖縄へ着いた面々。中松組がもめている組とすぐ和解して終わりのはずだったが、おかしい。拠点についた瞬間銃弾が打ち込まれる。拠点を爆破され、部下達がじわりじわりと見えない敵に殺されていく。そして市内のパブでの襲撃を皮切りに、村川たちは沖縄の僻地へと逃れる。




パブにて。部下2人死亡。いったい誰が刺客なのかわからない。



刺客から逃れるために村川達は僻地へ。沖縄の景色がものすごく綺麗。



 そんな極度の緊張状態を和ませるのが村川組のケン(寺島進)と中松組の良二(勝村政信)だ。この2人はキャラがものすごく立っていて沖縄編に花を添えまくる。北野映画はこのように緊張と緩和を交互に描写する場面が多い。この「緊張と緩和」というのはお笑いの基本的な理論といわれている。




ケンと良二。この2人が中心となって見事な緩和を見せてくれる。


 この2人はいち早く僻地の沖縄を満喫し、浄化されていく。僻地は水道すら通っていないので、自然と戯れる以外全くやることが無い。この2人の無邪気な行動が次第に村川達に伝染していく。




劇場予告にもあるシーン。ビートたけしの狂気じみた名演技が光る。すげぇハラハラした。




村川組幹部の片桐(大杉漣)、村川、僻地で出会った幸(国舞亜矢)。いい笑顔。



 そんな村川達に、「現実」が迫る。




”現実”おじさん。「アメリカザリガニの声渋い方」みたいな顔して本当に怖い。



 迫りくる現実に対して、村川達は成す術無くやられていく。遂に村川達も黒幕を暴くべく、都市部へ繰り出す。そこで再び部下を失うものの、村川達は裏切り者の1人、北島組幹部を拘束、抹殺する。その後村川はケジメをつけるため、銃を手に1人で敵地へと向かう。村川は幸に言った。「あんまり死ぬのを怖がってるとね 死にたくなっちゃうんだよ。」




 筆者にはこのシーンがこの映画の縮図に見える。沖縄の美しい景色の中真っ黒に煙を出しながら炎上する車。アロハで短パンの男と黒いスーツ姿の男。全て1枚に収まっている。




銃を手に敵地へ向かう村川。”キタノブルー”満開。



 敵地での銃撃戦は驚くほどあっさりと描かれている。久石譲の名曲に合わせて悲しい目をした村川がひたすら発砲していく。村川は最初から沖縄のシマなどどうでも良かった。だが中松組の手助けをしたというだけで部下達を殺された。どうしようもない現実にケジメをつけた村川は幸が待つ場所へ向かうが、戻ることは無かった。




今にも泣き出しそうな空。このシーンは見てるのが本当につらかった。



 私はこの映画を初めて見終わったとき、理由も無く涙が出た。生と死について考えた。現実という確実で無慈悲なものを考えた。一度では涙が出た理由がわからなかったので何度も見た。今でも無性に見たくなる衝動に駆られ、何度も見ている。でも涙が出た明確な答えはわからない。考察は述べれるものの、涙の理由はわからなかった。きっとたけしさんならわかるんだろう。

 ただただ、私はこの作品に拍手を送りたい。いい映画、いい映画です。是非皆さんも心が元気な時に見てください。そして皆さんが感じたことを教えていただきたいです。


 長々とご清聴ありがとうございました!!

  by  UNJIRO