2013年8月31日
Thief: Out of the Shadows Trailer
先日、約10年ぶりとなるThiefシリーズの第4作目となる続編の発売が発表された。前作の開発を行っていたIonStorm社は倒産してしまったので開発はEidos-Montrealが行い、パブリッシャーはSQUARE ENIXが行う。
続編の正式タイトルは"Thief : What's Yours is Mine"。つまり「お前のものは俺のもの。」ジャイアニズムだ。
改めて新作情報を覗いてみると、SQUARE ENIXがパブリッシャーとはいえ一枚噛んでる時点で過度な期待は厳禁か。なんかギャレットもかっこつけすぎだし。何より弓がハイテクチックになってて個人的にいけ好かん。公式HPも見ずれぇし。Just Cause2の二の舞にならないといいが。
ま、根拠のない酷評はこれぐらいにしてThiefシリーズについてちょろっと述べてみよう。
Thiefシリーズについてほんとに軽く述べていこう。
海外では現在でも熱狂的なファンが多い人気シリーズなのだ。
シリーズ主人公、Garrett。
どの作品の主人公も盗みの達人、Garrett(ギャレット)だ。
彼は孤児として育ち、幼い頃からスリや盗みで飢えを凌ぐ生活をしていた。そんな彼がいつも通りある男に狙いを定め、財布をスろうとした。だがあっさり見つかってしまう。男は気配を消しまくっていたのにもかかわらず少年ギャレットが自分に気付いた、というギャレットの才能を見抜き訓練生として彼を鍛えることにした。男は秩序維持秘密組織、Keeper(キーパー)のメンバーだった。
盗みの英才教育を受けスーパー盗人となったギャレットだったが、規律を拒みあっさり脱退してフリーの盗人となる。勝手気ままな盗人人生を送る彼であった。だが結局彼は陰謀や宗教、派閥抗争に巻き込まれていく。
シリーズを通して、主人公であるギャレットは極めて撃たれ弱い。敵である衛兵に正面から殴りこんだところで簡単にやられてしまうのだ。だがそのことにより、隠れて静かに近づき、鈍器で殴る。この快感を得ることを可能にした。多彩な隠密道具を手に敵の目をかいくぐり、盗みまくれ。
=シリーズ第1作 Thief : The Dark Project=
1998年 Looking Glass Studios開発
Thiefの名を世界に轟かせた名作。1人称(FPS)にステルス性を導入した。
独特の世界観とホラーテイスト、常時1人称画面による没頭感、多彩な隠密道具、ギミックたっぷりのマップ、闇に隠れて目的を達成する緊張感等、発売当時は新しい要素をふんだんに盛り込んでいた。
ストーリー終盤にギャレットは右目を失ってしまう。彼の目は機械仕掛けのものとなる。
後にThief Goldとして再販される。
=シリーズ第2作 Thief : The Metal Age=
2000年 Looking Glass Studios開発
シリーズ第2作目。システム等に変化はなく、まさに続編といった感じ。
敵に機械等の人外が多い。新アイテムの追加が少々。
=シリーズ第3作 Thief : The Deadly Shadows=
2004年 Ion Storm開発
シリーズ第3作目。今回の記事の主役。開発はIon Storm へ。
画質の向上、3人称視点への切り替えが可能に。人間以外に様々な敵が現れプレイヤーを困らせる。またホラー色も健在で、ゾンビやらあやつり人形やらクリーチャーやらはその吐息や足音だけで怖い。
ミッションとミッションの間にギャレットが住む街を徘徊できるようになった。これは最初は新鮮だが毎回となるとちょっと邪魔くさい。また、3人称視点が可能になったことにより、常時1人称視点でゲームを進める利点がほぼ無くなってしまった。角から覗き込む必要がなくなってしまったのだ。それを良しととるか悪ととるか。
挿入ムービーはどれもすごくかっこいい。
んじゃそんな第3作の紹介に移ろう。
このゲームの主な目的はズバリ盗みだ。敵の目を盗んでステージ内の金目のものをかたっぱしから盗みまくろう。
金目のものはキラキラ輝いている。盗んだ瞬間に換金したときの額が表示される。盗めるものの中には、少しの謎解きや入り組んだ場所に隠されている高価なアイテム、Special loot もあるので、大きな獲物を含めてすべていただいてしまおう。盗んだ盗品はステージクリア後ウラ市場にて換金することができ、その金でギャレットの盗人装備を調達できる。
ステージごとに難易度を設定でき、必要最低盗品金額、敵の攻撃力、一般人の生死制限等が違う。
先述の通り、スーパー盗人であるギャレットの近接戦闘能力は極めて低い。そのため、常に敵の目をかいくぐりながら任務を遂行する必要がある。敵は暗闇には全くといって良いほど目がきかない。暗闇から暗闇へ移動し、邪魔な敵は奇襲で排除し、妖艶に盗み尽くそう。ちなみに画像がどれも暗いのはゲームの仕様だ。
一人称視点にて。影の中ならこんだけ近づいてもばれない。
後ろの建物に潜入予定。玄関から入るか、煙突から入るか、3階までよじ登って窓から入るか・・・
敵の種類も多彩だ。普通のガードマンから宗教団体、魔法使いなどの人間に加え、半魚人やネズミ人間、はたまたゾンビやらクリーチャー等がプレイヤーの行く手を阻む。気絶させるのが不可能だったり、倒しても生き返ったり。
半魚人さん。背が高くてブツブツ言う。彼らはネズミ人間と抗争中だ。
敵は仲間の死体などを見つけると警戒態勢に入ってしまう。死体は担いで物陰へ。隠密の鉄則だ。
ギャレット自慢の道具達。
それではお得意の隠密盗人道具を紹介していこう。
メイン武器
Blackjack
棍棒。敵に気付かれていないかつ真後ろに近づいて殴打することで敵を気絶させることができる。シリーズ通じて登場する便利グッズ。こいつで気絶させれば大きな音を発生させずに敵を無力化できる。気絶した敵は基本的に目覚めることは無い。警戒時に叩いてもほとんどダメージを与えることはできない。一般人は気絶させよう。
このように振りかぶった状態で叩くと一発で音も立てずに気絶させることができる。
Dagger
ダガー。前作までは剣だったが短剣へ。ダメージを与えれるものの、敵が剣じゃ分が悪すぎる。だが敵に気付かれていないかつ真後ろに近づいて刺すことによって相手を即死させることができる。ただし敵は断末魔を叫ぶので近くに別の敵がいると気付かれてしまう。死体は担いで隠そう。血痕も出る。
即死攻撃中。延髄へ刃を振り下ろす。
Water Arrow
ウォーターアロー。弓で放つことで着弾時に魔法で閉じ込めてある水を放出させ、火を消すことができる。松明に使えば暗闇を作ることができる。また敵を殺害したときに発生する血痕を洗い流すこともできる。シリーズ通しての便利グッズだ。クエストに使うこともある。噴水等で拾うことができる。
火源に撃ち込むことで火を消せる。蛍光灯っぽいライトなんかは消せない。
Broadhead Arrow
通常の矢。弓で放つ。無警戒の人間の頭に打ち込むと即死、もしくは大ダメージを与えることができる。武器庫なんかで拾うことができる。
Fire Arrow
ファイヤーアロー。弓で放つことで着弾時に魔法で閉じ込めてある火を放出させ、爆発を起こす。通常の矢よりもダメージが高く、クリーチャーにも通用する場合がある。また後述のOil Flaskで撒いた油に着火させることができる。構えるだけで周囲が明るくなる。火の中で拾えたりする。
Moss Arrow
モスアロー。弓で放つことで着弾時に魔法で閉じ込めてある苔を放出させ、辺りに苔を生やす。苔の上は足音が全くしなくなる。さらに敵の顔に打ち込むと口を封じることができる。草むらで拾えたりする。
Gas Arrow
ガスアロー。弓で放つことで着弾時に魔法で閉じ込めてあるガスを放出させ、敵を気絶させる。当たり判定が少し広めで、複数をまとめて気絶させることもできる。臭そうなところで拾えたりする。
Noisemaker Arrow
ノイズメーカーアロー。弓で放つことで着弾時に花火みたいな音を発生させ、敵の気を引くことができる。ただし警戒態勢に入ってしまうため、あまり使う機会が無いかも。
サブアイテム
Climbing Groves
手につけるカギ爪。石壁をよじ登ることができる。前作までのRope Arrowに比べると非常に物足りないし、ダサい。意外と敵に見つかった際の緊急策としても使える。常時装備。
Flash Bomb
ポイッと投げて強烈な閃光を発生させ、敵の目をくらませる。敵に見つかってしまった際には非常に便利。
Health Potion
使用することで即効薬として体力を回復できる。
Holy Water
聖水。アンデットにブン投げてダメージを与えることができる。
Oil Flask
油。床にばら撒き、つるつるーっと滑らせて敵を転倒させる。
またFire Arrowを撃ち込むことで炎上させることができる。
Explosive Mine
地雷。投げて設置。その後上にユニットが来ると爆発しダメージを与える。
Gas Bomb
ガス爆弾。投げることで周囲の人間を気絶させることができる。
以上の多彩な道具を有効に使い、根こそぎ盗んじまおう。
ステルスゲームはかくあるべき。ランボープレイなんかもっての他だい!
とにかくギャレットは真っ向勝負にすこぶる弱い。これがThiefシリーズの伝統なのだが本来ステルスゲームとはそうあるべきだし、このことにより敵の目を盗む緊張感を他のゲームよりも強く感じることができる。
続編はどうなのだろうか。なんか敵に見つかっても大してあわてることもなく返り討ちにできてしまう、かっこ良くて俊敏なギャレットなんぞ俺は認めないかんね。
ひっさしぶりにプレイしてみたがやはりおもしろかった。日本国内にイマイチ人気が出なかったのは全体的なモッサリ感と前作までの徹底した硬派ぶりが失われ、ある程度大衆向けになっているからだろう。
購入をご検討の方は現在Steamでも販売しているがあんまり安くないのでセールになったら買う、ぐらいでいいだろう。輸入DVD版はAmazonで安く買えるのでいいかも。ちなみに日本語版は無いぞ。
とりあえず体験版をやってみよう。はまったら製品版。ボリュームたっぷりになってるのできっと満足いただけると思う。
「なんだか最近中世ヨーロッパかつスチームパンクな世界で闇の住人として気の赴くまま盗み働きてぇな・・・」と最近思うことが多いそこのあなた!! にピッタリなゲームです。
ご清聴ありがとうございました!!
by UNJIRO